『黒砂』心からの謝罪

初領土戦が終わり、我がギルドは全く準備をしていなかったので本格参戦はできず。
それでも領土戦の雰囲気やルールなどを理解するべく集まったメンバーで1chのエフェリア港に集合。
定刻を過ぎ、逸る気持ちを押さえつつ待てど暮らせどエフェリア港には戦乱の足音は聞こえず。

そもそも人が全くおらず平和すぎるエフェリア港。
仕方がないので激戦区であろうカルフェオンに向かうことに。
道中別ギルドの貿易者などが通り、領土戦中は所かまわず戦闘が出来ると聞いていたので殴りかかるも不発。
もしやPvPフラグをオンにするんじゃないかと誰かが天才的な発見をし、殴れる殴れると狂喜乱舞しながら貿易途中の馬車をぶっ壊す。
ぶっ壊した所で運転手が降りてきてイッヌの獅子哮で焼き殺される。

黒い砂漠恐ろしい。

恐怖に慄きながらパラメータを確認した所、性向値が大幅に下がり赤ネーム寸前のメンバー達。
結果としてこれは領土戦ではなく、只のPKだったと気づきこの日忘れられない思い出を作る。
敗走後のエフェリア港で領土戦とは何かと熱く意見を交し合う中、先程の運転手に無言のプレッシャーを受けるギルドマスター。
掛かって来いと言われているような目の前でのジャンプに恐怖の余り席を外しているふりをする。

ここは素直に謝るべきところであったが、
「領土戦のやり方が判らずPvPフラグをオンにして殴りかかったあげく馬車以外の戦果は上げられず返り討ちにあいました。生意気なことしてすいませんでした。」
とは口が裂けても言えず。
あまりにもマヌケが過ぎた。
貿易の終着点間近での酷い仕打ちに相手は相当お怒りであろうことが手に取るようにわかる。
等々最後まで謝罪の言葉を口にする事が出来なかった。

謝れない大人が増えているという話は大分前から聞く話だ。
自分だけはそうならないぞと思っていたのだがこの体たらく。
自分はエント装備着てて名前見えてないしこれはセーフなやつだと思っていた部分もあった。
しかしメンバーは丸見えであったし、そういう問題ではない。
悪い事をしたら謝罪するべきなのだ。

汚点を今こそ払拭するべく、

卑怯だとは思いますがこの場で謝罪をさせて頂きたいと思います。

カルフェオン鯖ギルド【C*******e】のリトルサモナー様。
初領土戦の際は馬車を壊してしまい申し訳ありませんでした。
戦争という言葉に年甲斐も無く興奮してしまい取り返しのつかないことをしてしまいました。
今後は「無知は罪である」という事をしかと心に刻み、二度とこのような事がないよう再発防止に努めます。

システム上馬車の弁償をする事ができませんが、フィールドで私を見かけた際はお気の済むまで殴って頂いてかまいません。
どんな罵詈雑言でも受ける覚悟でおります。
本当に申し訳ございませんでした。

今後は間違ったらごめんなさいを言える大人になろうと心に誓う。
戦場は男を成長させるとは本当なのかもしれない。
本物の戦場には何歩か及ばなかったが我々にとっては立派な戦場だった。
その後の本物の戦場は全然面白いところはなく、防衛兵器でワンパン昇天があったり糞ラグで背中から見えない矢を受けて死んだりしただけ。
黒い砂漠には色々なドラマがある。

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