現在のネトゲはシステムがサポートしている範囲で割と簡単にプレイヤー同士の対戦が出来る。
私がネトゲに手を出し始めた頃はプレイヤー同士の直接的な戦闘行為は人気のあるコンテンツではなかったように思える。
勿論対人戦というものを気が狂うほど愛し色々な形で遊んでいたプレイヤーもいたのは事実。
「Diablo」は阿鼻叫喚のPKゲーだったし、「EverQuest」ですらPvPサーバーがあったぐらいだ。
私が「Ultima Online」をプレイし始めた直後にトランメルとフェルッカに世界が別れる改変の時であった。
■Ultima Onlineとは
まずこの改変が行われる前のUOの世界は今のゲームジャンルでいうサンドボックス型のゲームである。
あるプレイヤーはオーソドックスにモンスターを倒しゴールドや素材を得て生計を立て、別のプレイヤーは鉱石を掘り武器を売りながら冒険者の防具を修理して生計を立てるそんなゲームだった。
またフィールドマップ上に家が建てられ交通の便や景観、土地の大きさにより値段に幅はあれど途中参戦のプレイヤーが簡単に手に入れられる代物ではなかった。
フィールドマップ上に建てられる為、リアルの世界と同じ土地不足の問題が起きたのだ。
トランメルとフェルッカが別れる理由としてこの土地不足が大きく関わっていたと記憶している。
[参考:UOの最小ハウス]
今ある世界と同じ広さを持つ世界を作って元の世界をフェルッカ、新しい世界をトランメルと呼ぼうと。
そしてこのトランメルとフェルッカは見た目は殆ど同じだが大きな違いがあった。
元々の世界フェルッカでは”同意無き戦闘行為”(UOの公式で使われている言葉でPKや窃盗行為を指す)が許されていた。
しかし新たな世界トランメルではこの”同意無き戦闘行為”は基本的に禁止されてしまった。
当時はこの改変にかなりの不満もあったであろうが殆どのプレイヤーは新たな世界トランメルに生活のメインを移してしまう。
初期UOにあった対人行為というのはスポーツライクな純粋に腕を競い合うものと言うよりも嫌がらせを楽しむものが前面に出ていた。
大多数のプレイヤーはそれを望んでおらず毛嫌いするプレイヤーも多数いた。
今では対人戦というと広く一般的に受け入れられており、ゲーム自体が対人をメインコンテンツに据えているものも多数存在する。
当時の私は対人をやっている人がマイノリティーな存在であり、羨望の眼差しで見ていたのを覚えている。
勝手に感じていただけかもしれないが”対人をやっている”と宣言するのは簡単に受け入れられる行為ではなくある種覚悟のいる行為でありそれを平然とやってのける人に憧れていたのかもしれない。
今となっては対人好きというのは普通に存在していて受け入れられているのだから良い時代である。
私は対人やってますと言ったら「嘘こいてんじゃねーよ、二度と喋りかけるな」と言われたのを今でも覚えている。
■UOで見る対人戦の発展
元々UOのシステム上でサポートされている対人戦はPK行為とギルド間戦争、派閥戦だったと記憶している。
この決められたシステムの中でプレイヤーは様々なルールを生み出し戦闘行為を行っていた。
有名な所でデシWARやPit、ルールとは別の話になるかもしれないがPKを狩るPKKなどがプレイヤーがルールを決めて生み出した戦闘行為ではないだろうか。
デシWARであれば普通はモンスターの狩場となるダンジョンをそれぞれのチーム毎にスタート地点を決め殺し合いをする。
[参考:デシートWAR]
Pitであれば決められた枠の中で合図と共に殺し合いをする。
[参考:ピット]
PKKであれば赤ネームと呼ばれる犯罪者を殺す事を目的とした集団であった。
これはシステム上明確にサポートされておらずプレイヤーが決めたルールの中で一つのゲームが出来ている状態である。
当時の対人戦を好む人達は自由奔放で人の指図は受けず仲間以外は全員敵のような考えを持っている人種だと思っていた。
現に口が悪い人は多かったし煽り上等な感じだった。
そんなならず者達がプレイヤーが決めたルール、システム上のルールではない破れるルールをある程度守ってプレイしていたのだから面白い。
ルールを守らぬ者は大抵厳しい制裁を受けて排除されるかルールに従うかしていたと思う。
語気の荒いプレイヤーが指示された通りにスタート地点に付き合図を待っているのを見ると和んだものだ。
今ではシステム上サポートされた様々なルールで対人戦が手軽に楽しめる。
しかしその恵まれた環境下でもプレイヤーは独自のルールで更に対人戦を楽しもうとする。
GW2ではWvWフィールドでのデュエルを見かける事があった。
プレイヤーの楽しもうという姿は、見ている方も楽しいものである。
■UOが作った流れとそれ以外の流れ
UOが作った対人の流れは今でも確かに残っている。
それがゲームルールだったり、対人戦での戦術だったり色々だ。
SKが集中攻撃の略だったなんて今では笑い話で出てくる単語だが今でも言葉は変われど戦術としては残っている。
また現在の色々なゲームでサポートされている攻城戦。
この流れも当時のUOとほぼ同じ時期にリリースされた「Dark Age of Camelot」や「Shadow Bane」などのゲームが走りであろう。
[参考:DAoC RvR]
戦闘に様々な要素が加えられているが当時からのルールを脈々と受け継いでいると思う。
FPSで言えば私は元祖であり最高傑作だと思っている「Counter-Strike」もこの時期である。
[参考:Counter-Strike 1.6]
あの当時のゲームが発展して今プレイしているゲームがあると考えると感慨深い。
自分が作った訳でも何でもないが只その時期をプレイしていたというだけで嬉しいものだ。
昔同じゲームをプレイしていたと言うだけで仲間になれる、面白い事である。
■終わりに
現在e-sportsというお洒落な言葉をよく耳にするようになった。
ある海外の大学ではe-sports特待生として「League of Legends」のプレイヤーを迎えようとしているぐらいだ。
一般プレイヤーである私には縁遠き言葉であるが、どこか羨ましい響きでもある。
この流れが今後どんな風に発展していくのか凄く楽しみである。
ゲームに関しても大きなターニングポイントを向かえ驚くような体験を出来るかもしれない。
プレイヤーが楽しもうとすればゲームはどんどん発展していくのだろう。
対人も然り、今後が楽しみである。
今回は「こんなに対人を愛しているのに一向に結果が残らないのは何故だろう、バグか?」と言うまとめ。
バグか?
おわり。